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米国特許商標庁の最新情報 (次期長官について、及び審査状況等の最新統計)

  1. ジョン・スクワイアーズ氏、USPTO新長官に正式指名

2025年3月10日、ドナルド・トランプ大統領はジョン・スクワイアーズ氏をUSPTOの次期長官として正式に指名し、同日付で上院に指名案件が送付されました。スクワイアーズ氏は、ディルワース・パクソン法律事務所にて新興企業および知的財産プラクティス部門のチェアを務めており、フィンテックやAI、ブロックチェーン分野における知的財産戦略の専門家です。また、スクワイアーズ氏はゴールドマン・サックスにおいて2000年から2009年までチーフIPカウンセルを務めた経歴を持っています。

スクワイアーズ氏が長官として取り組む可能性がある分野として、近年米国議会で議論されている特許適格性の問題に加え、特許審査遅延の解消が考えられます。

 

  1. USPTOにおける審査状況の最新データ

以下にUSPTOの審査状況の最新データを示しました。新長官の下で未審査特許出願件数、ファースト・オフィス・アクションまでの係属期間、トータル係属期間及び特許査定率がどのように改善されていくかにつき注目されます。

 

i. 実用特許・植物特許・再発行特許の未審査特許出願件数

未審査特許出願件数とは、ある時点において審査官からの「ファースト・オフィス・アクション」を待っている新たな実用特許、植物特許、および再発行特許の出願件数を指します。継続出願、継続部分出願、および分割出願もこの総数に含まれます。

 

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ii. 係属中の特許出願の総件数

係属中の特許出願の総件数とは、未審査の出願および既にオフィスアクションが発行された出願を含め、審査のいかなる段階においても審査官のもとで係属中の特許出願の総件数を指します。

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iii. ファースト・オフィス・アクションまでの係属期間

ファースト・オフィス・アクションまでの係属期間とは、特許出願の出願日からUSPTOがファースト・オフィス・アクションを発行する日までの平均月数を指します。「係属期間」とは、出願が審査中または判断待ちの状態である期間を意味します。

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iv. 従来型のトータル係属期間

従来型のトータル係属期間とは、特許出願の出願日から、特許として登録されるか放棄されるかといった最終処分(いわゆる「ディスポーザル」)に至るまでの平均月数として測定されます。この係属期間には、USPTOによる手続対応を待つ期間だけでなく、出願人からの応答を待つ期間も含まれます。

但し、継続審査請求(RCE)が提出された出願が除かれています。

 

ITOHの米国ブランチIPUSAの「従来型のトータル係属期間」は22カ月であり、USPTO全体よりも迅速な権利化が実現できています。

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v. 継続審査請求(RCE)を含む従来型のトータル係属期間

継続審査請求(RCE)を含むトータル係属期間とは、特許出願の出願日から最終的な処分(特許査定または放棄)に至るまでの平均月数を指します。これは、RCEの提出があった場合であっても、それを考慮せずに算出されます。

IPUSAの「RCEを含む従来型のトータル係属期間」は25.6カ月であり、USPTO全体よりも迅速な権利化が実現できています。

 

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vi. USPTOの特許査定率とその他の主要特許庁の特許査定率との比較

USPTOの実用特許全体に対する特許査定率は60%後半から70%後半を推移しています。

 

IPUSAの「特許査定率」は80.12%であり、USPTO全体よりも高い特許査定率が実現できています。

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「特許行政年次報告書2024年度版」

vii. 日本の出願人によるUSPTOへの特許出願件数とその他の主要特許庁への特許出願件数の比較

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「特許行政年次報告書2024年度版」

a. 上記のとおり、日本から米国への出願件数は微減傾向にありますが、IPUSAへの米国出願のご依頼件数は上昇傾向にございます

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viii. 意匠ファースト・オフィス・アクションの係属期間

意匠ファースト・オフィス・アクションの係属期間とは、意匠出願の日から、ファースト・オフィス・アクションを発行する日までの平均月数を指します。

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(FY2024: 16.0%, FY2025: 16.5%)

(https://www.uspto.gov/dashboard/patents/)

ix. 意匠に関する従来型のトータル係属期間

意匠出願のトータル係属期間は、意匠登録出願の日から、最終処分(例えば、特許権の付与または放棄)に至るまでの平均月数として測定されています。

IPUSAの「意匠に関する従来型のトータル係属期間」は20.1カ月であり、USPTO全体よりも迅速な権利化が実現できています。

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(FY2024: 22.3 months, FY2025: 21.3 months)

(https://www.uspto.gov/dashboard/patents/)

x. 意匠出願の登録査定率

意匠出願の登録査定率は、当該会計年度における意匠出願の最終的な処分件数に対する、許可された意匠出願の件数の割合として算出されます。この許可率には、継続手続出願(CPA)の提出に伴う放棄案件も最終的な処分件数に含めたうえで計算されています。

IPUSAの「意匠出願の許可率」は91.28%であり、USPTO全体よりも高い特許査定率が実現できています。

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(FY2024: 81.0%, FY2025: 83.0%)

(https://www.uspto.gov/dashboard/patents/)

引き続き、IPUSAは、ITOH および ITOHが支援する中国特許事務所Beijing IPCHAと一体となって連携し、権利行使可能な米国特許取得を低コストで実現してまいります。

 

USPTOの最新データは以下のサイトから入手可能です:

https://www.uspto.gov/dashboard/patents/

USPTO以外の主要特許庁のデータは以下のサイトから入手可能です:

https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2024/index.html

本欄の担当
弁理士法人ITОH
所長 弁理士 伊東 忠重
副所長 弁理士 吉田 千秋
担当: 弊所米国オフィスIPUSA PLLC
米国特許弁護士 有馬 佑輔

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