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世界知的所有権機関(WIPO)および欧州特許庁(EPO)の2024年統計

世界知的所有権機関(WIPO)および欧州特許庁(EPO)は2024年の特許等の出願状況の統計を発表いたしました。主な概要を以下に記載いたします。

 

WIPO2024年統計】

  • 特許(PCT出願)

 2024年のPCT出願件数は合計273,900件で、前年(2023年)比で0.5%増加しました。

 国別では中国からの出願が70,160件のトップで、続いて米国(54,087件)、日本(48,397件)、韓国(23,851件)、ドイツ(16,721件)です。

 前年(2023年)比で、中国は微増(+0.9%)でしたが、米国(-2.8%)、日本(-1.2%)、ドイツ(-1.3%)は減少しました。韓国は同7.1%の増加でした。

 国別の出願件数詳細につきましては、下記URL内のAnnexをご参照ください。

 pr-services2025-annexes.pdf

 

 出願人別ではHuawei Technologies社(中国)が公開件数でトップとなりました(6,600件)。また、出願件数上位100社のうち、日本(35社)、中国(21社)、米国(19社)の出願件数が最も多い結果となっております。上位20社のうち少なくとも8社が携帯電話および通信分野の事業を行っております。

 出願人別の件数詳細につきましては、下記URL内のAnnex 2をご参照ください。

 pr-services2025-annexes.pdf

 

 分野別ではデジタル通信がトップ分野となり、全体の10.5%を占めました。その他の主要分野では、コンピュータ技術(9.7%)、電気機械(8.6%)、医療技術(6.5%)等があります。2024年の増加率としては、デジタル通信が9.9%、および電気機械が7.9%であり、高い増加率を示しております。

分野別の件数詳細につきましては、下記URL内のAnnex 4をご参照ください。

 pr-services2025-annexes.pdf

 

  • 商標(マドプロ出願)

2024年のマドプロ出願件数は合計65,000件であり、前年(2023年)比で1.2%増加しました。

国別では米国からの出願が最も多く11,270件です。日本は3,028件の全体7位であり、前年(2023年)比で6.1%増加しました。

国別の出願件数詳細につきましては、下記URL内のAnnex 5をご参照ください。

 pr-services2025-annexes.pdf

 

  • 意匠(ハーグ出願)

2024年のハーグ出願件数は9,454件であり、前年(2023年)比で10.3%増加しました。また、ハーグ出願では1出願に複数意匠を含めることが可能ですが、「意匠件数」でカウントすると合計27,161件であり、前年(2023年)比で6.8%増加しました。

国別では中国からの「出願件数」および「意匠件数」がトップで、それぞれ2,225件(出願件数)および4,870件(意匠件数)です。

日本からの出願の「意匠件数」は951件の全体9位であり、前年(2023年)比で5%減少しました。しかしながら、日本からの「出願件数」でカウントすると、前年(2023年)比で約16%増加しております(467件→540件)。

国別の「出願件数」および「意匠件数」詳細につきましては、下記URL内のAnnex 7をご参照ください。

 pr-services2025-annexes.pdf

 

 なお、WIPO統計の詳細につきましては、下記URLをご参照ください。

Use of WIPO’s Global IP Registries for Patents, Trademarks and Designs Grew in 2024

 

 

EPO2024年統計】

2024年のEPOへの出願件数は199,264件であり、前年(2023年)比で0.1%減少しました。

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出展元:EPO Patent Index 2024: Patent Index 2024 | epo.org

前年(2023年)比で微減とはいえ、欧州特許に対する世界的な需要は依然として高い水準にあり、ヘルスケアからAI、クリーンテクノロジー、eモビリティ等、様々な発明に対する欧州市場の重要性を裏付けております。

 

 国別では米国からの出願がトップであり全体の24.0%を占めており、続いてドイツが12.6%、日本が10.6%を占めております。

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出展元:EPO Patent Index 2024: Origin | epo.org

2024年の日本からのEPOへの出願は21,062件であり、前年(2023年)比で約2.4%減少しました。しかしながら、欧州出願全体に占める割合は高い水準を維持しております。

日本からEPOへの出願状況の詳細につきましては、下記URL内の「Japan」をご参照ください。

Statistics & Trends Centre | epo.org

 

 分野別ではコンピュータ技術が16,815件のトップで、続いて電気機械・装置・エネルギーが16,142件、デジタル通信が15,983件、医療技術が15,701件でした。コンピュータ技術および電気機械・装置・エネルギー分野は前年(2023年)比で増加しました。一方で、デジタル通信および医療技術分野は前年(2023年)比で減少しました。

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出展元:EPO Patent Index 2024: Patent Index 2024 | epo.org

出願人別ではSamsung社がトップの5,107件で、昨年トップだったHuawei社は4,322件の2位でした。

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出展元:EPO Patent Index 2024: Patent Index 2024 | epo.org

なお、EPO統計の詳細につきましては、下記URLをご参照ください。

Patent Index 2024 | epo.org

本欄の担当
弁理士法人ITОH
所長 弁理士 伊東 忠重
副所長 弁理士 吉田 千秋
担当: 弁理士 菊池 陽

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