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米国特許商標庁が発表したメモランダム KSR事件

KSR事件米国連邦最高裁判決受け米国特許商標庁が発表したメモランダム

 先の米国最高裁判所のKSR事件判決(2007.4.30)を受け米国特許商標庁(USPTO)は、先日審査官向けメモランダムを発表しました。その概要は以下の通りです。

USPTOは近いうちにガイダンスを発行する。それまでの間当面、以下の点に注意すべきである。
 (1)最高裁は、自明性を判断するための以下のグラハム要件を再確認した。
   (a) 先行技術の範囲及び内容の決定;
   (b) 先行技術と本件クレームとの相違の確認;
   (c) 当業者の技術水準の解明;及び
   (d) 二次的要素の証拠の評価
 (2)最高裁は、自明性分析の要素として、TSMテストを完全に否定したのではない。むしろ、本件クレームが自明であるか否かを判断するにあたり、TSMテストは有用な洞察をもたらし得ることを認識した。
 (3)最高裁は、当業者による先行技術の組み合わせを導くためのTeaching, Suggestion, or Motivationを示すTSMテストの厳格(画一的)な適用を否定した。
 (4)最高裁は、(審査官が)自明性に基づく拒絶を支持する分析を明示すべきであり、当業者による先行技術の組み合わせを誘発する理由を明らかにすることが重要である旨を示した。従って、これまでと同様に、特許法103条(a)項による拒絶理由を展開するにあたっては、当業者が先行技術の要素を組み合わせ得たことの理由を特定する必要がある。

なお、このUSPTOのメモランダムは、以下のURLにて入手可能です。
本欄の担当
弁理士 大貫進介
弁理士 吉田千秋
弁理士 伊東忠重
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