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米国特許 優先審査(Prioritized Examination Track)の施行
2011年4月4日付けで、米国特許商標庁(USPTO)は、他の出願に優先して早期権利化を図るための優先審査(Prioritized Examination Track)の施行を発表しました。この制度は、2011年5月4日から施行され、同日以降になされる新規出願に対して適用されます。
本制度は、昨年6月、USPTOが提案しこれまで検討を重ねてきた、特許審査のタイミングに関する三段トラック構想(トラックⅠ:優先審査、トラックⅡ:通常審査、トラックⅢ:最大30ヶ月間の間審査着手を繰延べ可能な遅延審査)のうちの一部、優先審査(トラックⅠ)の部分を先行して導入しようとするものです。
今回発表された優先審査の概要は以下の通りです。
・優先審査のリクエストは出願時に行う必要がある
・優先審査には4000米ドルを支払う必要がある
・優先審査の対象となる案件に対しては、優先審査が認められてから12ヶ月以内に最終処分(許可通知、ファイナルOA等)が下される
・優先審査の対象は施行日以降の出願で、電子出願(EFS)されたものに限られる
・優先審査の対象は独立クレームの数が4、総クレーム数が30以内の出願に限られる
・OA等の応答の期間延長は認められない
- 本欄の担当
- 副所長弁理士 伊東忠重
米国オフィスIPUSA PLLC 米国特許弁護士 マーチン ウィークス(Martin Weeks)