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米韓自由貿易協定の批准に伴う韓国特許法改正

 2011年11月22日、米韓自由貿易協定(以下、「米韓FTA」)の批准同意案及びこれに伴う韓国特許法改正案が、韓国国会において可決されました。今般可決された米韓FTA及び韓国特許改正法は、2012年1月1日に施行される見込みです。

 上記韓国特許法改正案の主要改正点は、次の通りです。

1.新規性喪失の例外における適用期間の延長

 現行法では、新規性喪失の例外を受ける期間(いわゆる、Grace period)は、最初の公知があった日から6ヶ月である。
 改正法によると、この新規性喪失の例外を受ける期間が12ヶ月に延長される。

2.審査遅延が発生した場合における特許権存続期間の延長

 現行法では、薬師法又は農薬管理法による許可又は登録を受ける必要がある発明に限り、特許権存続期間の延長が認められており、審査遅延による特許存続期間の延長は認められない。
 改正法によると、審査遅延による特許権の存続期間の延長が認められる。具体的には、「出願日から4年又は審査請求日から3年のうち遅い日」から「登録日」までの期間が特許権存続期間に加算される。ただし、出願人の行為による遅延期間(例えば、出願人の期間延長申請による遅延期間)は、特許存続期間に加算されない。

3.特許不実施による取消制度の廃止

 現行法では、正当な理由なく、継続して3年以上、韓国内おいて、特許発明が実施されていない場合、特許庁長に通常実施権の設定の裁定を請求することができる。さらに、この裁定があった日から継続して2年以上、韓国内において、特許発明が実施されていない場合、申請又は職権により、その特許発明を取り消すことができる(韓国特許法第116条)。
 改正法によると、裁定があった日から2年以上の不実施による特許発明の取消制度(韓国特許法第116条)が廃止される。

以上

本欄の担当
韓国弁理士 閔泰皓(ミンテホ)
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