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優先審査をRCEにも適用 12月19日から 米国特許商標庁

 2011年12月19日付けで米国特許商標庁(USPTO)は、2011年5月4日から施行されていた、早期権利化を図る為の優先審査 (三段トラック構想の一部であるTrack I Program for Prioritized Examination)を新たにRCEにも適用することを発表しました。この制度は2011年12月19日から施行され、2011年12月19日以前に提出されたRCE、2011年12月19日以降に提出されたRCEに対して適用されます。

 三段トラック構想とは、トラックⅠ:優先審査、トラックⅡ:トラックⅠやⅢを申請しない場合の通常審査、トラックⅢ:米国で第一国として出願され、継続出願でない特許出願を対象として、最大30ヶ月間の間審査着手を繰延べ可能な遅延審査として、特許出願を3つのカテゴリーによって優先順位を付けるというものです。

新規出願の際の優先審査:

 新規出願時の優先審査では、申請料は$4,800であり、出願時に申請を行なう必要があります。そして、優先審査の対象となる案件(371条(PCT国内移行)は対象外)に対しては、優先審査が認められてから12ヶ月以内に最終処分(許可通知、ファイナルOA等)が下されます。尚、オフィスアクションに対する応答期間を延長した場合やRCE提出後は、優先審査の対象から外されます。

RCEに対する優先審査:

 今回の優先審査制度の改訂によって、下記の優先審査の条件を満たすことにより、今回新たにRCEに対して優先審査を適用することが可能となりました。

・特許法111条(a)(パリ条約に基づいた優先権主張付き本出願を含む)、或いは371条(PCT国内移行)に基づく、
実用(utility)及び植物(plant)特許出願(再発行、仮出願等は対象外)において提出されるRCEであること
・RCE後の第一回OA発行以前に、米国特許商標庁の電子ファイリングシステム(EFS-Web)により提出されたものであること(植物特許出願の場合を除く)。但し、優先審査請求はRCE提出と同時、或いは提出後に提出可能
・優先審査請求提出の際に、独立クレームが4個以内、クレーム総数が30個以内であり、複数従属クレームを含まないこと。(優先審査請求提出と同時に、補正書によって上記クレームの条件に合わせることも可能)
・出願人は優先審査を受けるための申請料$4,800(小規模企業は$2,400)、処理手数料$130を支払うこと。(公開手数料$300が未納の場合は同手数料も支払う)
・1つの出願に対して、RCEに対する優先審査請求は1回のみ提出可能
・RCEに対する優先審査も、特許改正法(America Invents Act)で定められた優先審査件数の年間限度10,000件の中にカウントされる
・上記クレームの条件に合致しない補正を優先審査請求後に行った場合や、オフィスアクションに対する応答期間延長を行なった場合は、優先審査から外される。(優先審査から外された場合でも、上記優先審査費用は返却されない)

本件記載のFederal Register は以下のサイトから入手可能です。
本欄の担当
副所長弁理士 吉田 千秋
米国オフィスIPUSA PLLC パテントエージェント 有馬 佑輔
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